
「オイルコーティングされたドライフードは酸化しやすい」
「ノンオイルコーティングなら酸化しにくい」
ペットフードを選んでいると、このような説明を目にすることがあります。
確かに、フードに含まれる油脂は、酸素や光、熱などの影響によって酸化する可能性があります。
特に、魚油に含まれるEPA・DHAなどは、酸化を受けやすい性質があります。
しかし、オイルコーティングをしていなければ、酸化しないというわけではありません。
肉や魚などの原材料そのものにも脂質が含まれているためです。
大切なのは、オイルコーティングの有無だけで判断せず、油脂の特徴や包装、開封後の保存方法まで含めて考えることです。
この記事では、ドライフードの酸化やオイルコーティングの考え方、保存方法、GRANDSの品質への配慮について解説します。
・ドライフードに含まれる脂質は、酸素や光、熱などの影響によって酸化することがあります。
・オイルコーティングしていなくても、肉や魚などの原材料に含まれる脂質が酸化する可能性があります。
・サーモンオイルに含まれるEPA・DHAは酸化しやすい一方、栄養面でも重要な役割があります。
・この記事では、ドライフードの酸化とオイルコーティングの考え方、適切な保存方法、GRANDSの品質への配慮について解説します。
ドライフードの「酸化」とは?

ドライフードには、たんぱく質や炭水化物のほかに脂質も含まれています。
脂質は、酸素や光、熱などの影響を受けることで酸化し、品質が変化することがあります。
特に、次のような要因が酸化に関わります。
- 酸素
- 光
- 高い温度
- 長期間の保存
実際に、国内の猫用ドライフードを対象とした研究でも、保存方法の違いによって脂質の酸化に関する指標が変化することが報告されています[1]。
ただし、酸化と腐敗は同じ意味ではありません。
酸化は主に脂質などの品質変化を指し、フードの保存では湿気や衛生状態にも注意することが大切です。
オイルコーティングしているフードだけが酸化する?

オイルコーティングとは、ドライフードの粒の表面に油脂を加える加工方法で、主に嗜好性や栄養設計などを考慮して行われます。
ただし、オイルコーティングの有無だけで、フードの酸化のしやすさを判断することはできません。
ドライフードには、表面に加えられた油脂だけでなく、鶏肉や魚などの原材料にも脂質が含まれているためです。
たとえば、次のような原材料にも、もともと脂質が含まれています。
- 鶏肉
- 魚
- 肉粉・魚粉
- 卵
- 植物原料
そのため、オイルコーティングをしていないフードでも、保存中に脂質が酸化する可能性があります。
また、オイルコーティングに使われる油脂も、種類によって酸化への安定性が異なります。
オイルコーティングの有無だけで良し悪しを判断せず、フード全体の脂質の特徴や保存方法まで確認することが大切です。
サーモンオイルは酸化しやすい?栄養面との両方を見る

サーモンオイルなど魚由来の油脂には、EPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸が含まれています。
EPA・DHAは健康維持に関わる栄養素ですが、多価不飽和脂肪酸であるため、化学構造上、酸化を受けやすい性質があります。
国内の研究レビューでも、EPA・DHAを多く含む魚油は酸化安定性が低いことが示されています[2]。
そのため、「サーモンオイルだから酸化しにくい」という説明は適切ではありません。
一方で、魚由来の油脂は、オメガ3脂肪酸などを供給する原材料として、フードの栄養設計に用いられています。
酸化しやすい油脂を避けることだけではなく、栄養面での役割と、製造・包装・保存による品質管理の両方を考えることが大切です。
関連記事:愛犬の被毛・皮膚の健康を支える食事とは? ― たんぱく質とオメガ脂肪酸を解説

ドライフードの酸化を抑えるための保存方法

ドライフードは、開封後の保存方法によっても品質が変化することがあります。
酸素や光、熱、湿気などの影響をできるだけ抑えるため、次のポイントを意識しましょう。
◆高温多湿・直射日光を避ける
ドライフードは、涼しく乾燥した場所で保管することが基本です。FDAも同様の保存方法を案内しています[4]。
商品の保存表示に従い、高温になる場所や直射日光が当たる場所を避けましょう。
◆開封後は毎回しっかり封をする
開封後は、できるだけ袋内の余分な空気を抜き、ジップなどでしっかり封をしましょう。
国内の研究では、猫用ドライフードについて、袋内の空気を抜いて封をすることが脂質の酸化を抑えるうえで有効である可能性が示唆されています[1]。
◆できるだけ元の袋で保管する
FDAは、ドライペットフードを可能な限り元の袋で保管することを案内しています[4]。
別の保存容器を使う場合も、フードを直接移し替えるのではなく、元の袋ごと容器に入れる方法があります。
◆開封後はできるだけ早く使い切る
開封後は保存期間が長くなるほど、酸素や光、温度などの影響を受ける時間も長くなります。
ただし、「何日以内なら酸化しない」という明確な境界線があるわけではありません。
愛犬・愛猫が無理なく食べ切れる容量を選び、開封後はできるだけ早く使い切ることが大切です。
関連記事:人工添加物不使用のドッグフードは、なぜ安心?― 着色料・保存料・香料に頼らないごはんの考え方

GRANDSが大切にする、ドライフードの品質への配慮

GRANDSでは、油脂の栄養面での役割を考えながら、包装や開封後の保存にも配慮した商品設計を大切にしています。
栄養設計に応じた油脂の使用
GRANDSでは、レシピに応じてサーモンオイルやチキンオイルなどの油脂を使用しています。
以下は、サーモンオイルを使用した商品の配合例です。
| 商品名 | サーモンオイル配合率 | オメガ3脂肪酸 |
| GRANDSプレミアムキャットフード チキン味 | 0.8% | 0.3%以上 |
| GRANDSプレミアムキャットフード チキン&サーモン味 | 0.8% | 0.5%以上 |
| GRANDSプレミアムドッグフード フィッシュ&サーモン味 | 4% | 1.5%以上 |
※オメガ3脂肪酸の数値は完成品の含有量を示しており、EPA・DHAそれぞれの含有量を示すものではありません。
※使用する油脂は商品によって異なります。GRANDSプレミアムドッグフード チキン&ダック味では、表面のオイルコーティングにチキンオイルを使用し、原材料にはサーモンオイルも配合しています。
油脂は栄養設計において重要な原材料である一方、酸化への配慮も必要です。
そのため、GRANDSでは、油脂の使用だけでなく、フードを包むパッケージにも目を向けています。
アルミ蒸着PETを含む多層フィルムとジップ

GRANDSでは、酸素や光、湿気などの外部環境からフードを守ることに配慮し、アルミ蒸着PETを含む多層フィルムをパッケージに採用しています。
アルミ蒸着PETとは、PETフィルムの表面に薄いアルミニウムの層を形成した包装材料です。
食品包装にも使用されており、包装材料の遮光性が油脂の酸化に関係することも報告されています[3]。
ただし、包装による保護性能は素材や加工条件によって異なるため、GRANDSのパッケージについて具体的な酸化抑制効果を示すものではありません。
また、開封後も袋を閉じて保管しやすいよう、ジップ付きパッケージを採用しています。
小袋サイズがドライフードの品質維持に役立つ理由

ドライフードの品質を考えるうえでは、包装素材だけでなく、開封後にどれくらいの期間で食べ切れるかも大切です。
GRANDSでは、キャットフードは500g、ドッグフードは600gの小袋サイズを採用しています。
その理由のひとつが、開封したフードを長期間保存せず、使い切りやすくすることです。
◆GRANDSの小袋は何日くらいで食べ切れる?
以下は、GRANDSの給与量目安をもとに、各商品を単独で与えた場合の食べ切り日数を計算した例です。
| 商品 | 体重 | 1日の給与量 | 食べ切る目安 |
| キャットフード チキン味(500g) | 2kg | 39g | 約13日 |
| キャットフード チキン味(500g) | 4kg | 66g | 約8日 |
| キャットフード チキン味(500g) | 6kg | 90g | 約6日 |
| キャットフード チキン&サーモン味(500g) | 2kg | 39g | 約13日 |
| キャットフード チキン&サーモン味(500g) | 4kg | 66g | 約8日 |
| キャットフード チキン&サーモン味(500g) | 6kg | 89g | 約6日 |
| ドッグフード チキン&ダック味(600g) | 2kg | 51g | 約12日 |
| ドッグフード チキン&ダック味(600g) | 5kg | 102g | 約6日 |
| ドッグフード チキン&ダック味(600g) | 10kg | 171g | 約4日 |
※給与量は、避妊・去勢済みの成猫・成犬を基準としています。食べ切り日数は各商品を単独で与えた場合の概算であり、品質保証期限を示すものではありません。実際の給与量は、年齢や活動量、ほかのフードとの併用などによって異なります。
表の例では、GRANDSを単独で与える場合、いずれもおおむね2週間以内に1袋を食べ切る計算になります。
GRANDSでは、開封後の保存期間にも目を向け、毎日の食事で無理なく使い切りやすい容量を大切にしています。
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まとめ|大切なのは「オイルを使っているか」だけではない

ドライフードの酸化は、オイルコーティングの有無だけで決まるものではありません。
表面に油脂を加えていないフードでも、肉や魚などの原材料に含まれる脂質が酸化する可能性があります。また、サーモンオイルなどに含まれるEPA・DHAは、酸化を受けやすい性質を持っています。
GRANDSでは、「油脂を使わないこと」だけを酸化への配慮とは考えていません。
レシピに応じて油脂を使用しながら、包装素材や開封後の保存のしやすさ、食べ切りやすい容量にも配慮しています。
大切なのは、オイルコーティングの有無だけで良し悪しを判断せず、油脂の栄養面での役割や包装、保存方法まで含めて考えることです。
FAQ|よくある質問
Q1. オイルコーティングしていないドライフードも酸化しますか?
はい。肉や魚などの原材料にも脂質が含まれているため、オイルコーティングしていないフードでも酸化する可能性があります。オイルコーティングの有無だけでなく、包装や保存方法も重要です。
Q2. サーモンオイルは酸化しやすいですか?
サーモンオイルに含まれるEPA・DHAなどの多価不飽和脂肪酸は、酸化を受けやすい性質があります[2]。一方で、オメガ3脂肪酸を供給する原材料として、栄養面での役割もあります。
Q3. オイルコーティングされたドライフードは避けた方がよいですか?
オイルコーティングされているという理由だけで、避ける必要はありません。油脂は栄養設計や嗜好性などを考えて使用されるため、フード全体の栄養設計や品質への配慮を含めて判断しましょう。
Q4. GRANDSはなぜ500g・600gの小袋サイズなのですか?
理由のひとつは、開封後に長期間保存せず、使い切りやすくするためです。キャットフードは500g、ドッグフードは600gを採用し、毎日の食事で無理なく使い切れる容量に配慮しています。
Q5. ドライフードは冷蔵庫で保存した方がよいですか?
基本的には、商品の保存表示に従い、涼しく乾燥した場所で保管しましょう。冷蔵庫での保存は、出し入れによる温度差で結露が生じる可能性があるため、必ずしもおすすめできません。
参考文献
[1]生野佐織・左向敏紀・望月眞理子
「キャットフードの保存方法の違いにおける脂質酸化の変化」
ペット栄養学会誌, 28巻1号, 7-13, 2025年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/28/1/28_7/_article/-char/ja/
[2]宮下和夫・上村麻梨子・細川雅史
「高度不飽和脂肪酸に対するスフィンゴイド塩基とα-トコフェロールの相乗的抗酸化効果」
オレオサイエンス, 18巻7号, 317-324, 2018年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/18/7/18_317/_article/-char/ja
[3]「油脂の酸化劣化に関与する光波長と包装材の遮光性について」
日本包装学会誌, Vol.5 No.4
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spstj/5/4/5_259/_article/-char/ja/
[4]U.S. Food and Drug Administration(FDA)
「Proper Storage of Pet Food & Treats」
https://www.fda.gov/animal-veterinary/animal-health-literacy/proper-storage-pet-food-treats
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